君の笑顔が涙に変わる時
「私ね、実はハルキさんのことが好きだったの。」
ハルキとは私のお父さんの名前だ。

「けどね、お姉さんが…じゃなくてエミちゃんのおかあさん「お母さんと呼ばなくていいです。お姉さんと読んでもらって構わないです。」

「わかったわ。お姉さんがハルキさんと付き合うって聞いてすぐに諦めたわ。だってお姉さんのこと大好きだったから。二人の幸せを見れているだけで、十分だって。2人が結婚するって聞いても嬉しくて嬉しくてたまらなかった。」

うんうん、と頷いた。

「それでね、私とハルキさんとお姉さんは仲良かったから、時々二人の家へ遊びに行ったの。そしたらね、2人がその…」

「なんとなく分かります。それで?」

「うん、それで私羨ましくなっちゃって、初めてお姉ちゃんから奪ってやろうと思った。でもね、ハルキさん一途で私がなにをしても意味がなかった。」

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