千代紙の小鳥
(今日もいい天気ね)
朝、いつもと変わらぬ街に降り注ぐ陽の光に少しばかり目が眩んで瞼を閉じた。
そしてすぐに瞼を開けて、窓を開けてバルコニーに出る。
そこから見えるのは私やたくさんの人が住む街と、街を囲む山と中心を流れる川。
そして周りを森で囲まれ、澄んだ湖の奥に堂々と、しかし奥ゆかしく建つ建物。
千代紙の小鳥との不思議な出会いから数日。
あの日から、身体が軽い。
健康な人からすればそれでもまだ面倒な体調や力かもしれないが、私にとっては快翔してしまえるんじゃないかと思える程に最近の体調はご機嫌だった。
パタパタ、とそれが降り立つ音が聞こえて。
「おはよう、」
「チュン、ピ、ピッピ、」
木製の手すりに置いている私の手の横で、挨拶を返してくれる千代紙の小鳥。