千代紙の小鳥
「ピ、チュンチュン、ピピ、」
そうだよ。待っている人がいるんだよ。
確信はないけれど、幻かもしれないけれど、
私の耳にはそう聞こえて。
「あなたに───・・・のね」
私が言い終わると、手にすり寄っていた小鳥がゆっくりと向きを変え、翼を広げて飛び上がった。
そして私の目の前に移動して、「ピ。」と鳴いたその刹那。
一枚一枚解けるように、一枚一枚広がる様に。
翼も身体も全てが、小さな羽根に変わった。