千代紙の小鳥
「 この光が――― 、」
瞼を閉じた瞬間、私のいる世界は幻想的な世界へと変わっていました。
(えっ、何?ここ)
その世界は
舞い踊っている桜の花びら色が無くして宙で止まり 私の発する言葉以外何の音も起こらない
無音で 無色の 止まった世界
その幻想的な世界に不思議な服を身に纏った見たことがないほどに凄艶であり艶麗な、一人の少女が佇んでいました。
「 この光が─── 、 」
(え?)
その少女が白く細い右手を前へかざした刹那、とても綺麗な白藍の怪光が、その止まった世界の中で下から生まれ出てきてきました。
その怪光はそのまま浮遊しながら終わりのみえない上へと昇っていきます。
幾つも幾つも。生まれ出て昇っていくその光が“何かに似てる。”と思いましたがそれがなにかは分からず。
「 この光が─── 、 」
再び私の鼓膜を叩いた艶めかしい声に、怪光から少女へと視線を移すと、その少女は凄艶に。艶麗に。微笑んでいました。