千代紙の小鳥



「チュン、チュンチュン、ピピッ」

パタパタ、とどこかを飛んでいる鳥の声が私の歌に重なるように聞こえてくる。


それは遠ざかったり近づいたり、まるで大きな円を描きながら飛んでいるようで。


(歌を好きになってくれたのかな)


そう思うと身体がより軽くなり、いつもより長く歌っていられることを予感した。


「チュチュチュン、ピッ、」

互いに歌詞のない歌を重ね合わせながら。

いつもより長く、より、長く、美しく。
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