私の中にあと二人いる【番外編】
『ツライねぇ…
悲しいねぇ…
報われない恋ってのは…』
「……っ…」
あんたに何が分かんだよ…っ!
そう言いたくなった
あまりにも女が俺に共感をしてくるから…
女にイラついてしまった
知ったような口はやめてほしい…っ!
俺は、今のままでいいんだ
洸を困らせたくないんだよ…っ!
『そんな、あんたにこれをあげるよ』
女は懐から、細長い糸のようなものを出してきた
『あんたも聞いたことはあるだろ?
赤い糸ってヤツを…
その赤い糸は目には見えない
自分の運命を信じるしかない
でも、それは不確かなものだ
本当にあるのかさえ分からない
だが、私は目に見える赤い糸を持っている
信じる信じないかは、あんた次第
自分の小指と想い人の小指を繋げてごらん
あんたとあんたの想い人は結ばれるはずだから』
そう言うと女は俺の手に糸を渡してきた
糸を手にした瞬間、糸は俺の手で光始めた
な、なんだ…⁉︎