私の中にあと二人いる【番外編】
「はははっ。見たか、お前ら!
散々、諦めろと言われてきたが…
ついに…
ついに、遥と結ばれたんだ!!
片想いは片想いのままに終わらないのさっ!!
さあ、ハニー
俺たちの新しい門出を祝おう」
「フフッ…
いいよ、ダーリン♡」
慶都は俺らにドヤ顔したあと
遥をお姫様抱っこして玄関に向かった
「は、遥様っ!?
ま、待ってください!!」
良太が焦ったように遥たちを追いかけた
俺らも急いで慶都たちを追いかけた
マジでどうなってるんだ!?
俺、夢でも見てんのか!?
あいつらが結婚!?
あり得ねぇだろ!!
良太は二人に追いつくと
遥の腕を引っ張り慶都の足を止めていた
「慶都!!遥様に何をした!!」
「俺のハニーに気安く触んじゃねぇよ!」
「慶都ぉ、良太が怖い♡」
「任せろハニー
こんなヤツ、一瞬で倒してやるから」
お前らコントでもしてんのかよ!!
遥!お前、楽しんでるだけだろ!?
これは演技なのか!?
「お前ら……落ち着け!!」
さすが全国一の鳳凰の総長というべきか…
低くて威圧的な大きな声が、ここにいる奴等の動きや言葉を止めた
「どうなってやがる
説明しろ、遥
これはてめぇの演技か?
それとも本心で言ってんのか?」
「フフッ…
僕は本心で言ってるよ?
愛する慶都に
嘘なんか言わないよ?」
鋭い目で睨んでる恭也に対し
怖がりもしない、いつもと同じようにへらへらと笑いながら遥は答えた
どっちだ…?
遥は本心で言ってるのか…?
いつもと変わらなすぎて分からない…