私の中にあと二人いる【番外編】

遥は、慶都の身体を押し
お姫様抱っこをやめた


「遥様っ!!
正気に戻られたんですね!」

「…? 何言ってるの、良太」


良太は今まであったことを遥に伝えた


「へぇ…
面白いじゃん、これ」


遥は良太が切った赤い糸を手に持って見てニヤニヤと笑っていた


あ、アイツ…
なんか良からぬこと考えてんな…


「……楽しそうだけど…

こんなものの力を借りなくても僕の魅力で他の奴等を虜に出来るから

こんなのいらな〜い」


遥はそう言って手に持っていた赤い糸をゴミ箱に捨てた

俺らは遥の行動に驚いていた


絶対に俺か恭也と赤い糸を結ぶと思っていたが、まさか自分でそれを捨てるなんて…


「……それでだ
何してるのかな〜?慶都〜?」

「あっ…」


いつの間にか慶都は切れたもう一つの赤い糸を遥の小指に結びつけようとしていた


「僕をそんなもので手に入れようだなんて…
慶都って…
本当に僕を怒らせたいらしいね…?」

「ちが、違うんだよ、遥〜
これは、切れたやつでも使えるのか試したかっただけで…」

「そんな言い訳、僕に通用すると思ってんの?

最低!もう僕に近づかないで!
慶都なんて大っ嫌い!!」

「は、遥…」


遥は分かっていたな…
慶都には遥の言葉が精神的にダメージを負うことになると…

大っ嫌いなんて言われたら…
ああ、ほら…

慶都のヤツ、落ち込むとか
そんなレベルじゃねぇな…

でも、あれは慶都が悪い

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