私の中にあと二人いる【番外編】
「俺は洸のエプロン姿みたいけどなー?」
「ああ…ダメダメ…
俺、絶対にエプロンとか似合わねぇから」
いや!!
絶対に俺の方が似合わねぇから!!
洸の方が絶対に似合うから!!
「安心しろって、敦!!
ピンクのエプロンが気に入らなくても
俺が可愛いやつ見つけて買ってきてやるから!!」
「いやいや!!いらねぇから!!」
可愛いエプロンなんて俺に似合うはずねぇだろ!!
もう、勘弁してくれ…
「ほら、もうここまでにしとけ」
恭也が俺と洸が結んであった赤い糸を切った
「ちょっとは、いい夢見れただろ?
これで終わりにしとけ」
「……ああ…」
「あれ?俺、いつの間に蛍と替わったんだ?」
いい夢か…
そうだな…
いい夢を見せてもらったよ…
叶うはずのない夢をな…
俺は混乱している洸に微笑んで
赤い糸をゴミ箱に捨てた