私の中にあと二人いる【番外編】

人を落とす条件は色々あるけど…
最初から誰かとキスしてるとこを相手に見せてはいけない

嫉妬させるのには効果的だけど…
それはあくまでも、自分をよく知っていなければならない

今の司は僕を忘れている!
しかも、先輩のものだと思ったら
手を出しにくくなる

あり得ない!!
計画が失敗じゃないか!!


「司…本当に僕を忘れたの…?
僕、司に助けてもらったんだ…

あの日、僕は死のうと思ってた…
だけど生きる理由を司が教えてくれたんだよ…?」

「俺が…?」


何故、気付かないの!?
こんな見た目だから!?

いや、僕は司にこの姿で会っている


「ねぇ…っ!司…!
僕、司が好きだよ…!

僕のこと拒まないで…っ」


もうこれしかない…
悲しげな表情をして、落とすしかない…!!


僕は司の服を掴み、上目遣いで涙目になって言った


「離せ…っ!!
お前が誰かは分かったが…

俺にその演技は効かねぇ!
俺はそういう嘘は分かんだよ!

女嫌いって分かってるなら…
諦めてくれ…

前にも言っただろ…
俺は女嫌いだからお前に落ちることはねぇって…」


僕の演技は効かない…?
僕は司を落とせない…?


「フフフッ…
あーあ、最高だよ…やっぱり…

僕が落とせないなんて…
司にしてよかった〜

分かったよ
女だからダメなんだね…?

仕方ないか…
じゃあ、またね〜

つ・か・さ♡」


僕は手を振って司から離れた


仕方ないか…
男になるしかないね…

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