私の中にあと二人いる【番外編】

「あぁ、そうだな

あの時は、誰でもよかったからな
お前なら蛍と同じ身体だから
蛍を抱いてると思えたからキスしただけだ

遥のことを好きだからキスしたわけじゃねぇ

てめぇも分かってんだろ?」


あの時は誰でもよかった
たまたま遥が近くにいたからキスしただけだ

それ以上はしてねぇ


「もちろん分かってたけど〜
僕にキスしたなら抱くのも大丈夫だってことだよね〜?」

「抱いてやってもいいぜ?」


俺がそう言うとアキラたちはもちろん
遥も俺の言葉に驚いていた


「ただし、抱く時は…
蛍を考えながら、蛍の名前を呼びながら抱くぞ

てめぇは、それでいいのか?」


他の女なら
絶対に抱いたりしねぇ

遥は蛍の身体だ
しかも、蛍が作ったもう一人の自分だ

それなら俺は迷わず遥を抱ける


だが、蛍が遥を抱いて悲しむなら
俺は遥を蛍だと思って抱く

俺が愛してんのは、蛍だからな…

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