私の中にあと二人いる【番外編】

「ざけんなっ!」


俺は遥の言葉を聞き怒り
遥の浴衣の襟を掴んだ

遥は俺が浴衣を掴んでいることで
身体が浮き、足が地面につかない状態で辛いと分かる状態なのにもかかわらず

ニヤニヤと笑って俺を見ていた


「殴る?別にいいよ?
この身体、僕だけのものじゃないから〜

あっ、そうだ!
殴る瞬間に蛍と替わるのもいいよね〜?

フフフッ…
想像しただけで笑いが止まらないよ〜」


俺は初めて身体が震えた
怖さからだ

こんな状態で普通笑えるか?

男も女も怯える場面なのに
コイツは笑っていた

それも
厭らしくて美しい笑み

そうだ
この笑みは魔性の笑み


< 63 / 179 >

この作品をシェア

pagetop