私の中にあと二人いる【番外編】

「……悪かった…
だから蛍には何もしないでくれ…」


俺は今まで誰にも負けたことはなかった
だが初めて心の底から…


コイツには勝てないと思った…


俺は遥の浴衣を離し
遥に頭を下げた


どうか…
蛍には何もしないでくれ…


その一心で頭を深く下げた


「恭也、これで分かったでしょう?
恭也はどう足掻いたって、僕には勝てない

僕はいつでも恭也たちを僕のペットにすることだって出来るんだよ?

良太みたいに
自分の心を壊され、僕だけにしか従わない奴隷にされたいの?」


ゾクッ…


俺は背筋が凍えた


遥は人の心を簡単に壊せる
自分の人格を失うなんて、考えただけでも恐ろしい

今さらだが
良太は遥しか見えなくなっている

自分の人格を壊され、遥しか見ないように洗脳されたんだ

< 64 / 179 >

この作品をシェア

pagetop