雨、冷たくて
そう急かされて、あたしは帰ることにした。


「大丈夫?」

支えられて起こされると、立ち眩みがした。


やだな…

本当の病人みたいで…



「あッ、アキ連れてきた子がこれ渡してって…」


ミヤはYシャツの胸ポケットからなにか紙を取り出して、

あたしに渡した。



「なにこれ?」

「知らない、じゃ、1人で大丈夫ね?」



次の授業を気にして、

足早にミヤは保健室を後にした。


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