雨、冷たくて
夜明けの手紙
「…藤内、市松からの手紙だ」


そっと手渡された、可愛らしい封筒に入った手紙。


「…ルイからの?」



頷くと、先生は出ていった。


ルイと二人きりの病室で、ゆっくりと手紙を開いた。



けどあたしは…


開いた手紙を読むことができなかった。



ただ怖かった…


ルイの残した手紙を怖くて読むことができなかった…



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