あかねいろ Thousand Leaves! 完全版
「もう一回読んで」

優斗は、ねだった。

もう一回読んであげた。



読み終わると、優斗はため息をついた。

「お前、凄いね。一つも間違えないで、つっかえないで読めんだね」

本気で感心してる。


「ゆっくり読むからだよ」

「すげーよ。俺、その最後の方が読めなかった」

「最後の方?」

「うながすって読むんだ?」

「『促す』ね」

「うながすって、なんだろ」

「あんたが頑張ると、みんなも自然に頑張れるって意味だよ」


優斗の顔が、ほころんだ。

まったく、子供みたいな顔してる。
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