あかねいろ Thousand Leaves! 完全版
2
土手に出た。
暑さで、蒸されたヨモギの匂いがする。
大島が、家から虫除けスプレーと傘を持ってきてくれた。
こんな時まで…気のきくヤツ…。
「セッシャと友は、予備校が一緒でござった。
学校の関係者は一人も来ておらず、
ご両親は『よく来てくれた』とそればかりで…
お坊さんも呼ばず、家族だけで見送るとのことでござった」
「何で死んだか…聞いたの?」
大島はうなずいた。
「お父上が『学校に殺されたようなものですよ』と…
それ以上は、セッシャも」
暑さで、蒸されたヨモギの匂いがする。
大島が、家から虫除けスプレーと傘を持ってきてくれた。
こんな時まで…気のきくヤツ…。
「セッシャと友は、予備校が一緒でござった。
学校の関係者は一人も来ておらず、
ご両親は『よく来てくれた』とそればかりで…
お坊さんも呼ばず、家族だけで見送るとのことでござった」
「何で死んだか…聞いたの?」
大島はうなずいた。
「お父上が『学校に殺されたようなものですよ』と…
それ以上は、セッシャも」