HELLO GOOD BYE
『もうすぐ着くから♪』

明るい声に胸が締まる。

「わかった-下りるね」



アパートの階段を下りながら、頭の中は不安でいっぱいだった。




いつもはあんなに会いたくて、うきうきしながら降りる階段。




「お待たせ」

そう言ってユキナリに笑いかけた。


変な顔してないかな。


「おう」



車に乗り込む。

「ドコ行く?」

「…ユキナリんち」

「せっかくの休みなのに?」

「うん、せっかくの休みだから、ユキナリといっぱいくっつきたい」

「りょーかい、夜はどっかで飯食おうな」






車が動き出す。






早く、リュウを消して欲しいの。



早く、あたしの欲求静めて欲しいの。








本当、あたし、最低。
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