HELLO GOOD BYE



1時限目はタイチが代返してくれていた。



「でたょやっぱお前1限の日はすっぴんだな」



「うるさいっ」

小さい声で反論する。



やっぱりチャイムには間に合わなくて、
大教室の後ろからこそこそタイチの隣に座った。




「代返ありがとね」


「おう、なんかオゴれょ」



そんなやり取りをして、教科書を開いた。






今日の1限は確か、
リュウも一緒の授業だったはずだ。



学科もクラスもバラバラのサークル三人が珍しくそろう授業。


もっぱらまじめでしっかりもののタイチが
酒好きなリュウとサボり魔のあたしの代返をしてくれるんだけど。





「ねぇタイチ、1限、リュウ来てた?」


怒られないように、こそこそ声で尋ねる。


「いや-あいつもいなかったょ。どうせまた飲んでたんじゃね?」





「…そっか」



授業時間中にかかって来てたんだから当たり前か…




でも起きてたはずなのにおかしいな…





リュウの事を考えてぼーっとしていたら
いつのまにかチャイムが鳴った。
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