HELLO GOOD BYE



ふらふらと立ち上がり、




カフェテリアを出て非常階段に座り込む。







溢れてくる涙を拭きもしないで、



ただぽっかり浮かぶ細長い飛行機雲を見つめていた。






リュウみたいだな…






何もない穏やかなあたしの心に、





突然、緩やかなスピードで、
淡々と、




深い
深いところまで



突き進んできた。






いきなり現れた雲に真っ二つにされた空も、


まるで戸惑っているように見える。







どれくらい見上げていたのか、



首が痺れて来る頃には、


やがて薄くなっていった飛行機雲は消え、





何事もなかったような空が広がっていた。






それでもまだ、

ほほもまぶたも乾いていないし、





リュウも全然、



あたしの中からなくならない。
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