この俺が幽霊に恋をした!?
涙。のち、笑顔。
* * *
「ん―……あちぃ……」
暑さに顔を歪め、重たい瞼をあける。
昨日の夜に入れておいた冷房のタイマーはすっかり切れてしまっていた。
額の汗を拭って頭元に置いてた目覚まし時計を見ると、まだ明け方の4時を少し過ぎた頃だった。
ぼーっとする頭のまま、宙に浮いた状態で寝ている千草玲斗を起こさないように、静かに起き上がるとカーテンを開けて外を眺める。
……ん?
そういえば萌絵の姿が見当たらない。
まぁ、いっか。
「ふわぁ~」
大きく伸びをして、首を左右に曲げる。
眠いけど、1度目が覚めたらなかなか寝つけないのが俺という人間である。
「ちょっくら走ってくっかな……」