この俺が幽霊に恋をした!?

何もしてない俺でさえ暑いのに、動き回ったりしていると暑さも倍増しているはずだ。


―知らなかった。


こんな朝早くに料理を作っていたなんて。

俺と父さんの弁当も手を抜くことなく作ってくれていたなんて。


いつからか、母さんがご飯と弁当を作ってくれるということが当たり前になってきていて、感謝なんてしなくなっていた。


俺はわざと足音を立ててキッチンに入る。


「あら、おはよう真琴。早いわね」

まだ4時よー? とにこにこ顔の母さん。


「目が覚めてさ。少し走り込みしてこようかと思って」
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