この俺が幽霊に恋をした!?
「ほら、席につけー。
点呼とったらテスト返却するぞー」
面倒くさそうに教室に入ってきた数学の担当教師である小田(略して小田せん)は首を何回か鳴らしてから大きな欠伸をした。
「く、来栖……」
「大丈夫だって吉原」
俺の言葉にひとつ頷くとふらふらのまま席についた吉原。
「つぎ――来栖」
「はーい」
全員の点呼が終わり、先生は手元に置いていた大きめの茶色い袋から答案用紙を引っ張り出す。
「んじゃ、テスト返すぞ」
念の為に言っとくが……と、ひとつ咳払いした先生。
「赤点取った奴は補習だからな?」
「せんせー、質問いいっすかー」
手を挙げたのは灯。
あいつ……なにを言うつもりだ?
「赤点て何点からっすか。
俺ら、それ教えてもらってないけど」