この俺が幽霊に恋をした!?
海と涙と…。
――――と、言うことで。
今週末は海に行くことになりました。
「ちょっと待った!」
部屋から夕焼けをぼんやり眺めていた俺の腕を引っ張って、ストップをかけたのは萌絵だ。
「ん、どーした」
あー……海かー、暑いなー……。
めんどくせーし。
でも美人なお姉さんたちを見て目の保養したいから……いっか。
それだけを楽しみにしておこうかな。
なんてことを考える。
あ、やばい。
玲斗と同じ思考になってきたかも。
「ねぇってば、2人きりで行くつもり!?」
「え、なにが?」
声に含まれた怒気を感じ取り、横を見ると
萌絵は口元をきつく結んでこちらを見つめ――いや、(ある意味)熱い眼差しを送っていた。