この俺が幽霊に恋をした!?
俺のそばにいろ
どこにいるんだよ……!
家に帰っても、彼女はまだ帰ってきていなかった。
心当たりのある場所も全て探したが、彼女の姿は見当たらなかった。
「萌絵っ!」
叫んでみるが、返事はない。
どれくらい走り回っただろうか?
陽が落ちて辺りはすっかり薄暗くなってきていた。
もう、今日はダメか――。
そう思ったときだった。
真夏にもかかわらず、突然ひんやりとした空気が俺にまとわりついてくる。
そして俺は、これがこの世のものではないと確信していた。
《探シ人?》
目の前にすぅ……っと現れたまだ幼い子供の霊。
顔は整っており声も高めだが、 果たして女なのか男なのか、性別は検討つかない。
こいつ、悪霊……ではないが。
誰かの守護霊でも、何処ぞの家の座敷童子というわけでもなさそうだ。
《誰ヲ探しテイルノ?》
どこか機械に近いような口調。
話し方は平板に近く、抑揚もない。