この俺が幽霊に恋をした!?
「――探し人だ。ここを女の子が通らなかったか?」
目の前の幽霊はしばし無言になってから、
ゆっくりと口を開いた。
《モエ》
「あ、ああ。萌絵っていう名前の子だ」
この場合……特徴を言ってみるべきなのか?
悩んでいると、幽霊は静かに、ゆっくりと頷いた。
《トクチョウ……聞けバ、分かル》
「お前……俺の考えてること分かるのか?」
《分かるヨ》
それなら……
「肩までの黒髪に、背は…154cmくらいの
小柄な女の子だ」
萌絵の姿や表情を思い浮かべながらそれだけ伝えると、目の前の幽霊は すっと指をさした。