この俺が幽霊に恋をした!?
「もし彼女が人間として生きたいと願ったときは、これを飲ませて」
そう言って俺に手渡されたのは透明な丸いビー玉のようなもの。
「なんだこれ?」
光に透かしたりしてまじまじと見ていると、玲斗は静かな声で「ぼくの魂だよ」と言った。
その言葉に俺は透かしていた手をおろして玲斗を凝視する。
「……どういうことだ」
「やだな。そんな怖い顔しないでよ」
「いいから、答えろよ」
玲斗は少し躊躇ってから何かを言おうとし――口を閉ざした。
「あらら。本人が来ちゃった」
後ろを振り返ると、萌絵が髪を乱しながら駆け寄ってくるところだった。