この俺が幽霊に恋をした!?
それを聞いた玲斗は、俺の手の中にあった透明な丸いものを取ると萌絵に手渡した。
「それならこれを飲んだらいいよ」
「ねぇ玲斗くん、これはなに?」
透明できれいだけど…と呟いた萌絵。
玲斗は何も言わずにそんな彼女をただ優しい瞳で見つめている。
「ほら、飲んでごらん」
「う、うん」
萌絵はさくらんぼ色の唇にそれを挟んでから、口の中に入れた。
色白で小さな喉が上下する。
「うーん……何も味しないよ?」
「それは無味無臭だからね」
「おい玲斗、お前―――……」
そう言った玲斗の異変に俺は気づいてしまった。