この俺が幽霊に恋をした!?
ただね、と眉を下げる。
「萌絵の家族は関係がうまくいってなくて。本当に家族崩壊の寸前だったんだ」
「……」
「萌絵のお父さんは弁護士、お母さんは病院の理事長をしていて。裕福な家庭だった」
「めっちゃ お嬢さまじゃん」
「うん、そうだよ。
だけどそれが、彼女を余計に苦しめた」
唇を噛み締めて、俯く千草玲斗。
俺は少し驚いていた。
こんな彼を見るのは初めてかもしれない。
だって、これまではいつもニコニコしていて元気だったから。
「真琴くん、萌絵は―」