強引な彼との社内恋愛事情
好きの代わりに
「んっ」
暑い。
ものすごく暑い。
なにこれ。
目を開けると知らない天井。
誰かの寝息。
今度はヒヤリと汗を掻いて隣を見れなかった。
その代わり、ショーツしか身につけていない素足に戸惑いを感じて。
上はというと、昨日着ていたシャツがくしゃくしゃにはなってるけど着てはいる。
どっちだ?
ようやく隣を見た。私の身体ひとつじゃ判断できないからだ。
寝息の犯人である広重はTシャツにボクサーパンツだった。
どっちだ?
昨日の夜のことを思い出してみた。
確か、私から広重にキスをして誘ったんだ。
で、当然のようにキスが激しくなって。
広重が私の身体に触れて、脱がされて……。
「私、広重を抱いちゃった?」
自分から誘ったってことはそういうことになるのか。