ノアの箱舟。
三説。奪う者
死の大地タナトス。
由縁は 見た目だけではなく
もっと掘り下げた所にもある、
それは何か。 悩む必要もなく それは夜に響く断末魔が教えてくれる。
魍魎。妖怪。怪物。化物。
否
そんなものが存在するわけもなく
その正体はいたって単純《人間》だ。
食料もなく 生きる事で理性を失ったもの。
それら全てを奪う者《アファルパゾー》と呼ぶ。
彼らも 人は人だ。 けれど 既に死んでいると言っても過言ではない。
人としての生を感じられないからだ。
人を殺めれば 人は目が暗く 深く濁って淀む。
彼らの目はもはやそれでしかない。
何故殺すのか それは動物が狩をするといえばわかるだろう。
ただこれは こればかりは 人が人を狩るという事になる。
《アファルパゾー》は夜に活発に行動し
移住民を狙う
少年もそれは百も承知。
それだけの決意が。覚悟があったのだろう。
少年は日も高い内に足早に 歩き始めた。
目的地はあるのか いやあるのだろう
少年が目指す先に何があるのか それは誰にもわからない