ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
日曜日の朝。今度は私が響さんをリビングで迎えた。
少し寝乱れた髪を掻き上げながら、眉をひそめて浮かない表情の響さんが部屋から出て来る。
「おはようございます」
ソファの上で膝を抱えながら声を掛けると、響さんはピタッと足を止めた。
「……おはよ」
少し掠れた短い声。
響さんは私にわずかな視線を向けてから、明るいリビングを軽く見渡した。
そして、眩しそうにギュッと目を瞑ってから、欠伸を噛み殺して洗面所に向かって行く。
あの声に、しかめた顔。
これはどう見ても二日酔いかな、と思った。
滅多なことじゃ深酒しない響さんが珍しい。
やっぱり私が怒らせちゃったせいなのかな、と思ったら、昨日の自分に対する苦い後悔でいっぱいになった。
戻って来た響さんに、勇気を出して、あの、と呼び掛けた。
昨日はごめんなさい。
そう言いかけた私より先に、響さんが唇を開く。
「……萌。一昨日、清水から何を聞いたんだ?」
突然向けられた質問は全く予想外で、私はグッと言葉に詰まった。
響さんは静かに歩み寄って来て、私の隣にドスッと腰を下ろした。
そして、開いた膝に腕を載せて軽く身体を屈めると、隣から私を覗き込んだ。
真っ直ぐ向けられるちょっと鋭い視線に、ドキドキする。
私は緊張しながらゴクッと唾を飲み込んだ。
「……清水さんは、本当に何も言わなかったんですか?」
探るように目線だけ横に向けると、響さんは目を伏せて軽く何度か頷いた。
少し寝乱れた髪を掻き上げながら、眉をひそめて浮かない表情の響さんが部屋から出て来る。
「おはようございます」
ソファの上で膝を抱えながら声を掛けると、響さんはピタッと足を止めた。
「……おはよ」
少し掠れた短い声。
響さんは私にわずかな視線を向けてから、明るいリビングを軽く見渡した。
そして、眩しそうにギュッと目を瞑ってから、欠伸を噛み殺して洗面所に向かって行く。
あの声に、しかめた顔。
これはどう見ても二日酔いかな、と思った。
滅多なことじゃ深酒しない響さんが珍しい。
やっぱり私が怒らせちゃったせいなのかな、と思ったら、昨日の自分に対する苦い後悔でいっぱいになった。
戻って来た響さんに、勇気を出して、あの、と呼び掛けた。
昨日はごめんなさい。
そう言いかけた私より先に、響さんが唇を開く。
「……萌。一昨日、清水から何を聞いたんだ?」
突然向けられた質問は全く予想外で、私はグッと言葉に詰まった。
響さんは静かに歩み寄って来て、私の隣にドスッと腰を下ろした。
そして、開いた膝に腕を載せて軽く身体を屈めると、隣から私を覗き込んだ。
真っ直ぐ向けられるちょっと鋭い視線に、ドキドキする。
私は緊張しながらゴクッと唾を飲み込んだ。
「……清水さんは、本当に何も言わなかったんですか?」
探るように目線だけ横に向けると、響さんは目を伏せて軽く何度か頷いた。