ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
座談会での中谷さんの話は、誰がどう聞いても響さんに対する告白だった。
きっと、響さんは無視できないと思う。
『萌ちゃんは、倉西が他の誰かに『恋』をしても、認めるんだ?』
思い悩む時、どうしていつも清水さんに言われたことが脳裏を掠めるんだろう。
なんだかとても悔しいけれど。
あの人の言うことは私の思考の一歩先を行っていて、後になって一々思い出してしまう。
認める?って言われても。
元々響さんの心から消えることのなかった気持ちが再び動き出してしまうのなら、私がどうこう出来ることじゃない。
そんなの、私が文句言えるようなことじゃないじゃない……。
自分の思考で気分が滅入って、私はデスクに顔を突っ伏した。
顔の向きを変えて、右の頬をぺったりくっ付ける。
そして目を閉じて、あ~あ、と呟いた。
「旦那様に片想いなんて、ほんと間抜け……」
他のどんな片想いよりも不毛な気がする。
自分の消え入っていく声に目を閉じると、近付いて来る足音が大きく聞こえた。
カツカツと響く踵の音は、あまり広報部じゃ聞き慣れない。
フッと目を開けて、なんとなく目線を上向ける。
途端に、私に影が落ちて来た。
え?と慌てて身体を起こした。
そして、私のすぐ横に立った姿に顔を上げて……。
「ひ、響さんっ!?」
きっと、響さんは無視できないと思う。
『萌ちゃんは、倉西が他の誰かに『恋』をしても、認めるんだ?』
思い悩む時、どうしていつも清水さんに言われたことが脳裏を掠めるんだろう。
なんだかとても悔しいけれど。
あの人の言うことは私の思考の一歩先を行っていて、後になって一々思い出してしまう。
認める?って言われても。
元々響さんの心から消えることのなかった気持ちが再び動き出してしまうのなら、私がどうこう出来ることじゃない。
そんなの、私が文句言えるようなことじゃないじゃない……。
自分の思考で気分が滅入って、私はデスクに顔を突っ伏した。
顔の向きを変えて、右の頬をぺったりくっ付ける。
そして目を閉じて、あ~あ、と呟いた。
「旦那様に片想いなんて、ほんと間抜け……」
他のどんな片想いよりも不毛な気がする。
自分の消え入っていく声に目を閉じると、近付いて来る足音が大きく聞こえた。
カツカツと響く踵の音は、あまり広報部じゃ聞き慣れない。
フッと目を開けて、なんとなく目線を上向ける。
途端に、私に影が落ちて来た。
え?と慌てて身体を起こした。
そして、私のすぐ横に立った姿に顔を上げて……。
「ひ、響さんっ!?」