ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
確かにそれが現実だけど、そんな簡単に頷いてはいけない。
現実の全てが真実じゃない。
私は必死に、自分の心を制した。
「……中谷とは、ちゃんと話して来た。
一応言っとくけど、アイツも今更どうこうしようとした訳じゃない。
お前に謝ってくれって言ってた。嫌な思いさせたって」
「そ、そんな……」
私は唇を噛んで俯いた。
中谷さんは響さんへの気持ちを素直に打ち明けただけのこと。
私が謝られるようなことじゃない。
むしろ私の方が謝るべきなのに。
黙って俯く私に、響さんはフウッと息をついた。
「ごめん。……お前がそんなこと気にしてるなんて、思ってもいなかった」
「え?」
「……結婚式のこと」
響さんの気まずそうな声で、私が庭園で口走ったことを示していると気付く。
途端に頬が熱くなった。
「そんなこと、って……! 私にとっては、すごく大事なことです!」
気付いたら、そう叫んでいた。
これも、価値観の違いって物なのかもしれない。
それなら、あの時私が感じた寂しさだけは、響さんにもちゃんとぶつけないと。
「私はっ……!」
感情のままに声を上げた私を、
「あれは、お前が考えてるような意味じゃない!!」
響さんの鋭い声が、あっさり制した。
現実の全てが真実じゃない。
私は必死に、自分の心を制した。
「……中谷とは、ちゃんと話して来た。
一応言っとくけど、アイツも今更どうこうしようとした訳じゃない。
お前に謝ってくれって言ってた。嫌な思いさせたって」
「そ、そんな……」
私は唇を噛んで俯いた。
中谷さんは響さんへの気持ちを素直に打ち明けただけのこと。
私が謝られるようなことじゃない。
むしろ私の方が謝るべきなのに。
黙って俯く私に、響さんはフウッと息をついた。
「ごめん。……お前がそんなこと気にしてるなんて、思ってもいなかった」
「え?」
「……結婚式のこと」
響さんの気まずそうな声で、私が庭園で口走ったことを示していると気付く。
途端に頬が熱くなった。
「そんなこと、って……! 私にとっては、すごく大事なことです!」
気付いたら、そう叫んでいた。
これも、価値観の違いって物なのかもしれない。
それなら、あの時私が感じた寂しさだけは、響さんにもちゃんとぶつけないと。
「私はっ……!」
感情のままに声を上げた私を、
「あれは、お前が考えてるような意味じゃない!!」
響さんの鋭い声が、あっさり制した。