ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
「き、企画中です……」
小さな声で呟きながら肩を竦めると、プッと吹き出して笑ってから、響さんがポンと私の頭を軽く叩いた。
「別に特別なことしてくれなくていいよ。今のままで十分だから」
優しい瞳にドキッとしてしまう。
思えば、響さんはいつも私にそう言ってくれていた。
そのままのお前でいい、って。
だから私も気負い過ぎずありのままでいられる。
はい、と返事をしながら、反射的に熱くなる頬を隠そうと俯いた。
私達の様子を、向かい側の二人がクスクス笑っていた。
「じゃ、私達が祝うのは、引越しの方だけでいいかな? それでは、ちょっと遅くなったが、響と萌ちゃんの新生活を祝して、乾杯!」
お義父様の音頭に呼応して、全員がグラスを掲げる。
乾杯!と言った後、少しだけグラスを傾けて、響さんのグラスとカチンとぶつけた。
スッキリした炭酸が喉を潤して流れて行くのを感じる。
ちょっと息をついてグラスをテーブルに戻すと、お義母様が傍に置いた冊子を再び手に持っていた。
「それにしても、萌ちゃんすごいわね。この特集ページ、萌ちゃんが担当したって言ってたやつでしょう?」
「あ、はい」
目を細めるお義母様に、私ははにかみながら頷いた。
お義母様の手にあるのは、つい先週発行したばかりの社内報だ。
私が担当させてもらった座談会の連載は、巻中で五ページに渡って掲載されている。
小さな声で呟きながら肩を竦めると、プッと吹き出して笑ってから、響さんがポンと私の頭を軽く叩いた。
「別に特別なことしてくれなくていいよ。今のままで十分だから」
優しい瞳にドキッとしてしまう。
思えば、響さんはいつも私にそう言ってくれていた。
そのままのお前でいい、って。
だから私も気負い過ぎずありのままでいられる。
はい、と返事をしながら、反射的に熱くなる頬を隠そうと俯いた。
私達の様子を、向かい側の二人がクスクス笑っていた。
「じゃ、私達が祝うのは、引越しの方だけでいいかな? それでは、ちょっと遅くなったが、響と萌ちゃんの新生活を祝して、乾杯!」
お義父様の音頭に呼応して、全員がグラスを掲げる。
乾杯!と言った後、少しだけグラスを傾けて、響さんのグラスとカチンとぶつけた。
スッキリした炭酸が喉を潤して流れて行くのを感じる。
ちょっと息をついてグラスをテーブルに戻すと、お義母様が傍に置いた冊子を再び手に持っていた。
「それにしても、萌ちゃんすごいわね。この特集ページ、萌ちゃんが担当したって言ってたやつでしょう?」
「あ、はい」
目を細めるお義母様に、私ははにかみながら頷いた。
お義母様の手にあるのは、つい先週発行したばかりの社内報だ。
私が担当させてもらった座談会の連載は、巻中で五ページに渡って掲載されている。