ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
食後のコーヒーを飲みながら。
でも、と呟いて、お義母様がニヤニヤしながら私と響さんを交互に眺めた。


「上手くやってるみたいで安心したわ。この間会った時と、二人ともだいぶ雰囲気が変わったみたい」


お義母様の言葉に、お義父様も目を細めて頷いた。


「そうだな。それは私も感じた。萌ちゃんはうちのバカ息子のことちゃんと見てくれてるようだし」

「だから、一々バカって付けるな」


響さんは目を伏せてコーヒーを啜っている。
そしてゆっくり目を上げると、チラッと私を見遣った。


「……でも、そうだな。お前、結構俺のこと見てるんだ。……意外と」

「そりゃ、見てますよ。もちろん!」


もっと、もっと色んな響さんを知りたいから。
響さんを観察するのは、ある意味私の命題で、探究心のようなもの。


胸を張って答えた私に、お義母様が嬉しそうに身体を乗り出して来た。


「この間はまだ考えてないって言ってたけど……もしかしたら、考え変わった?」

「はい?」

「だから、……赤ちゃん」

「……は?」
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