ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
この間と同じように、響さんが吹き出した。
お義母様は、全くこの子は、と、響さんに眉をひそめる。


「何をそんなに興奮してるのよ」

「そういう話題は面白がってするなって言っただろ!?」


お義父様からティッシュを受け取りながら、響さんが頬を赤らめている。
それにつられて、私もカアッと頬に血が上ってしまう。


「あら、だって。なんだかあんた達すごくいい雰囲気だし。もしかしたら、思ったより早くおばあちゃんになれるかもしれない、って思ったら嬉しくなっちゃって」

「考えは変わってない。まだまだ先。今は忙しい。そう言っただろ」


冷静を取り戻した響さんの返事は、やっぱりこの間と変わらない。


そうなの?と、お義母様が残念そうに唇を尖らせた。


私はなんだか複雑な気持ちになる。


この間は、響さんの全力否定にも頷けたけど。


やっぱりまだまだ先なのかな、って思ったら、ちょっと寂しい気持ちだった。
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