ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
昨日は確かに意地悪だったけど、こうして見るとそんなに悪い人とも思えない。
それでも、この人の口から今のことが響さんに伝わったら、また不機嫌な顔をさせてしまうかもしれない。
そう考えた私は、再び定食に意識を集中させる。
「萌ちゃん、お昼はいつも一人?」
ようやく私の観察を終えて、箸を手に取る清水さんを上目の視線で窺いながら、私は小さく首を振った。
「いつもじゃないです。同期と食べたり、同僚と食べたり……」
「倉西とは食べないんだ」
「食べません」
出来る訳ないじゃない、と思いながらつい刺々しい声で即答する。
何がツボに嵌ったのか、清水さんはまたしても肩を揺すって笑った。
「萌ちゃんは人目を気にして倉西と過ごす時間を避けるんだ? 健気だねえ」
どこか勘に障る言い方をして、清水さんは丼を片手に箸を動かし始めた。
「噂が怖い?」
目線だけで窺われる。私はひたすら箸を動かす。
「俺が話し掛けたの、迷惑だったかな」
肩を竦める仕草を確認して、私は一度フウッと息を吐いた。
「すみません。そうじゃないですけど、からかわれるのも困るんです」
素直にそう言って、少しだけ頭を下げた。
そうして食事を再開する。
それで清水さんの関心も薄れると思った。
なのに。
それでも、この人の口から今のことが響さんに伝わったら、また不機嫌な顔をさせてしまうかもしれない。
そう考えた私は、再び定食に意識を集中させる。
「萌ちゃん、お昼はいつも一人?」
ようやく私の観察を終えて、箸を手に取る清水さんを上目の視線で窺いながら、私は小さく首を振った。
「いつもじゃないです。同期と食べたり、同僚と食べたり……」
「倉西とは食べないんだ」
「食べません」
出来る訳ないじゃない、と思いながらつい刺々しい声で即答する。
何がツボに嵌ったのか、清水さんはまたしても肩を揺すって笑った。
「萌ちゃんは人目を気にして倉西と過ごす時間を避けるんだ? 健気だねえ」
どこか勘に障る言い方をして、清水さんは丼を片手に箸を動かし始めた。
「噂が怖い?」
目線だけで窺われる。私はひたすら箸を動かす。
「俺が話し掛けたの、迷惑だったかな」
肩を竦める仕草を確認して、私は一度フウッと息を吐いた。
「すみません。そうじゃないですけど、からかわれるのも困るんです」
素直にそう言って、少しだけ頭を下げた。
そうして食事を再開する。
それで清水さんの関心も薄れると思った。
なのに。