ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
――……
「私もあれから考えたんだけど、愛される必要がないって、おかしいと思うの!」
オーダーを取った店員さんがテーブルから離れていく。
それと同時に、美砂子が私の方に身を乗り出して、鼻息荒くそう言った。
お手拭きを広げながら、きょとんとする。
この間のめぐの話だよっと言われて、ああ、と軽く相槌を打った。
「だって、倉西さんはめぐにプロポーズしたんでしょ!? だったら、倉西さんはちゃんとめぐを愛して幸せにする義務がある!」
「ちょっ、美砂子、声大きいよっ!」
オフィス街の一角の小洒落た居酒屋。
まだ時間が早いせいか、週末だというのに店内はそれほど混んでいない。
それでも誰が見てるか聞いてるかわかんないし。
それでなくても愛だプロポーズだって言葉が連発されると気恥ずかしい。
美砂子は我に返ると、肩を竦めてごめんと謝った。
そして、辺りを見回してから、さっきより意識して声を小さくする。
「……めぐだって、嬉しかったって言ったじゃない。
お世話になったおじさんの息子だからって理由もあったかもしれないけど、何も結婚を強制された訳じゃないんだから。
倉西さんもめぐも、自分の意志で結婚を決めたのに」
「だから、美砂子。私は今、十分幸せだって思ってるよ?」
仕事でも接点はない。
広報の仕事でインタビュアーを務めたことだって幸運だった。
そんな偶然のラッキーにお義父様が絡んで……響さんからプロポーズされるなんて、私の人生最大の奇跡だった。
「私もあれから考えたんだけど、愛される必要がないって、おかしいと思うの!」
オーダーを取った店員さんがテーブルから離れていく。
それと同時に、美砂子が私の方に身を乗り出して、鼻息荒くそう言った。
お手拭きを広げながら、きょとんとする。
この間のめぐの話だよっと言われて、ああ、と軽く相槌を打った。
「だって、倉西さんはめぐにプロポーズしたんでしょ!? だったら、倉西さんはちゃんとめぐを愛して幸せにする義務がある!」
「ちょっ、美砂子、声大きいよっ!」
オフィス街の一角の小洒落た居酒屋。
まだ時間が早いせいか、週末だというのに店内はそれほど混んでいない。
それでも誰が見てるか聞いてるかわかんないし。
それでなくても愛だプロポーズだって言葉が連発されると気恥ずかしい。
美砂子は我に返ると、肩を竦めてごめんと謝った。
そして、辺りを見回してから、さっきより意識して声を小さくする。
「……めぐだって、嬉しかったって言ったじゃない。
お世話になったおじさんの息子だからって理由もあったかもしれないけど、何も結婚を強制された訳じゃないんだから。
倉西さんもめぐも、自分の意志で結婚を決めたのに」
「だから、美砂子。私は今、十分幸せだって思ってるよ?」
仕事でも接点はない。
広報の仕事でインタビュアーを務めたことだって幸運だった。
そんな偶然のラッキーにお義父様が絡んで……響さんからプロポーズされるなんて、私の人生最大の奇跡だった。