ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
ただいま、といつもと変わらない声が聞こえる。
そして、響さんがリビングに入って来た。
「……お帰りなさい」
顔を上げずに考え込んだまま一言だけ返すと、響さんは私に軽い口調で何か言って、自分の部屋に入って行った。
え?と聞き返すと、もうその姿は部屋の向こう。
それを見て再びぼんやり考え込んだ時、響さんがラフな部屋着で出て来た。
そして、そのままリビングから出て行く。
微かにドアが閉まる音がした。
コンビニかな、と思いながら、私はメールから顔を上げて、大きな溜め息を漏らした。
時計を見ると、もう九時を過ぎていた。
ほぼ定時上がりで帰って来たのに、こんな時間まで私は何を悶々と考え込んでるんだろう。
清水さんに忠告されたからって、そんな私情たっぷりの意味不明な理由で、座談会メンバーを再考しようと考えるなんて、おかしいに決まってる。
そう。そもそもこの企画は主任から任された物で、私の企画じゃない。
企画者無視してメンバー変更なんて、許される訳が無い。
自分にそう言い聞かせて、ちょっとよれたA4用紙を畳んだ。
響さんの元カノの存在をいちいち気にしてたら、私は何人の女性を意識しなきゃいけないんだろう。
そもそも、張り合うつもりもなければ、干渉するつもりもない。
……響さんも、偶然に驚いただけだよね。
もう二年は前のことだし、仕事で顔を合わせても何とも思わないよね。
自分にそう言い聞かせて、ガックリと頭を垂れた。
そして、響さんがリビングに入って来た。
「……お帰りなさい」
顔を上げずに考え込んだまま一言だけ返すと、響さんは私に軽い口調で何か言って、自分の部屋に入って行った。
え?と聞き返すと、もうその姿は部屋の向こう。
それを見て再びぼんやり考え込んだ時、響さんがラフな部屋着で出て来た。
そして、そのままリビングから出て行く。
微かにドアが閉まる音がした。
コンビニかな、と思いながら、私はメールから顔を上げて、大きな溜め息を漏らした。
時計を見ると、もう九時を過ぎていた。
ほぼ定時上がりで帰って来たのに、こんな時間まで私は何を悶々と考え込んでるんだろう。
清水さんに忠告されたからって、そんな私情たっぷりの意味不明な理由で、座談会メンバーを再考しようと考えるなんて、おかしいに決まってる。
そう。そもそもこの企画は主任から任された物で、私の企画じゃない。
企画者無視してメンバー変更なんて、許される訳が無い。
自分にそう言い聞かせて、ちょっとよれたA4用紙を畳んだ。
響さんの元カノの存在をいちいち気にしてたら、私は何人の女性を意識しなきゃいけないんだろう。
そもそも、張り合うつもりもなければ、干渉するつもりもない。
……響さんも、偶然に驚いただけだよね。
もう二年は前のことだし、仕事で顔を合わせても何とも思わないよね。
自分にそう言い聞かせて、ガックリと頭を垂れた。