ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
はああっと深い息を吐いて、両手で頭を抱えた。
すっきりしない。もやもやする。
理性ではちゃんと理解してるのに、素直に従ってくれない気持ちをどう扱っていいのかわからない。
ゆっくりお風呂にでも入って、少し気分転換しよう。
そう決めて、私はテーブルに手をついて立ち上がった。
一度部屋に戻って、着替えを胸に抱きしめてバスルームのドアを開けた。
考えても仕方ないことを引き摺るのが嫌で、心から全部吹っ切るつもりで、勢い良く服を脱いだ。
そして、脱いだ服を洗濯機に放り込んでから、グッと内扉のドアを押し開ける。
その時になって初めて、中から聞こえる湯音と湿気に意識が向いた。
「……え?」
開け放した途端、私の肌に湿った空気が纏わり付いた。
パシャッと床を打つお湯が、私の足に跳ね上がる。
一瞬、目の前に広がった光景を現実だと思えなかった。
白い靄の中、浮かび上がるすらっと長い足。
その身を打ち付けるシャワーを浴びて、髪を洗う腕。
浮き出る肩甲骨。
無駄な肉なんかどこにも見つからない、引き締まった胸にお腹。
ヨーロッパの有名な美術館の彫刻がリアルに動いているみたいで、あまりにリアリティーを感じられない映像を見ているみたいな。
私は呆然としたままその姿に見惚れて、ただ目線を下に下ろして行く。
すっきりしない。もやもやする。
理性ではちゃんと理解してるのに、素直に従ってくれない気持ちをどう扱っていいのかわからない。
ゆっくりお風呂にでも入って、少し気分転換しよう。
そう決めて、私はテーブルに手をついて立ち上がった。
一度部屋に戻って、着替えを胸に抱きしめてバスルームのドアを開けた。
考えても仕方ないことを引き摺るのが嫌で、心から全部吹っ切るつもりで、勢い良く服を脱いだ。
そして、脱いだ服を洗濯機に放り込んでから、グッと内扉のドアを押し開ける。
その時になって初めて、中から聞こえる湯音と湿気に意識が向いた。
「……え?」
開け放した途端、私の肌に湿った空気が纏わり付いた。
パシャッと床を打つお湯が、私の足に跳ね上がる。
一瞬、目の前に広がった光景を現実だと思えなかった。
白い靄の中、浮かび上がるすらっと長い足。
その身を打ち付けるシャワーを浴びて、髪を洗う腕。
浮き出る肩甲骨。
無駄な肉なんかどこにも見つからない、引き締まった胸にお腹。
ヨーロッパの有名な美術館の彫刻がリアルに動いているみたいで、あまりにリアリティーを感じられない映像を見ているみたいな。
私は呆然としたままその姿に見惚れて、ただ目線を下に下ろして行く。