蒼き瞳~月の姫と悪魔~
第1部 最初の悲劇
何千年も前から私達月の守護者と悪魔は対立し戦ってきたと子どもの頃からよく聞かされていた
そしていずれは力を持って生まれた私が悪魔と戦わなければならないと――…
夜光(やこう)「エマ!」
エマ「夜光王子!どうなさいました?」
夜光「華夜(かや)はどこにいる?もう戻ってきているはずだろ」
エマ「はいっ、姫様ならお部屋で休まれてます」
夜光「そうか、ありがとう」
俺は急ぎ足で華夜の所に向かった
コンコン
「華夜、入るよ」
部屋に入ると華夜はベッドで寝ていた
「華夜…?」
そっと近づいて華夜を呼んでみるが
スースーと寝息をたてながら寝ていて起きない
無理もないか
昨日からずっと修行してたからな…
俺はベッドに腰掛け華夜に触れる
寝ている姿まで愛おしく感じる
凛としていて美しい月の姫と言われている華夜
その反面またまだ半人前で、でも一生懸命修行して泣いたり苦しんだり
それでも出来た時は嬉しそうで…
いろんな華夜を知ってる
俺達の婚約が決まった時は驚いたけど、今は華夜しか考えられない
俺はそっと口づけした
華夜「―――…夜光…?」
ゆっくり目を開けた華夜の瞳には俺が写っていた
夜光「起こしたか?」
華夜「ううん、平気」
夜光「あと2時間だ
そろそろ準備した方がいい」
華夜「本当だ…ありがとう」
今夜は城で大きなパッティーがある
俺と華夜のいわゆる結婚式みたいなもの
夜光「じゃ、また後で迎えに来る」
華夜「うん、分かった」
俺はそのまま部屋を後にした
まさか今夜最悪の日を迎えるとも知らずに