蒼き瞳~月の姫と悪魔~
柚綺「この!黙ってやられてると思うな!
千樹針(ぜんじゅばり)!」
柚綺が空気をはらうと空気が針のようになって私に飛んで来た
華夜「――!」
ザクザクザクッ―…
よけられず私の体は傷だらけになった
そして1本の針が髪に当たりリボンが切れて
結っていた髪がほどけた
長い髪が風になびく
お互い息も上がって体力も限界だった
柚綺は近くにあった刀を拾った
そして私は星蘭を手に取った
お互いに睨み合う
きっとこれが最後の攻撃…っ
私は柚綺に刃を向け柚綺は私に刃を向けて互いに走り出した
だけどその時微かに私の耳に何か聞こえた
「華……夜……」
声?これは夜光の声…?それとも…
―――……ザクッ
突き刺した刀から血が流れ落ち地面を赤く染める
エマ「姫様!!」
悪魔「「ルイス様!」」
どちらが勝ったか分からない
周りの視線は私達に集まっていた
しかし…勝敗は刺す前に決まっていた
華夜「―――!?」
柚綺「―ガハッ……」
私の星蘭は柚綺の体を貫いていた
だけど私は刺されていなかった
柚綺は刺す直前に私に向けていた刀を下ろしていた
―――これはどうゆう事!?
柚綺にはさっきまでの殺気が感じられない…
今…感じるのは…
柚綺はその場に倒れ込んだ
華夜「柚綺!」
今…柚綺から感じるのは…一緒にいた時に感じられたあの優しい感じだった
同様が隠せなかった
私はすぐに柚綺に駆け寄った
自分でも分からなかった
だけど……
私の中で私は…まだ柚綺が好きだった
華夜「柚綺!」
私が名を呼ぶとゆっくり目を開けて私を呼んだ
その瞳は真っ直ぐ私を見ていた
華夜「答えて柚綺!なぜ刀を下ろしたの!
なんで…私を殺さなかった!」
柚綺「――っ……殺せるわけ…ねぇ…!」
柚綺の言葉は私を驚かせるものだった