蒼き瞳~月の姫と悪魔~

ヨモギ「なに!?」


私はただヨモギを睨み付けた


こいつが何も力を持たないのは柚綺の記憶を見たから分かっている


少しずつ後ずさりしていくヨモ


皆が死んだのも、柚綺が死んだのも…全てはこいつが…


ヨモギ「おいっ、誰か私を助けろ!!」


しかし残っていた悪魔は1人…また1人と逃げて行った



華夜「あなたが全て柚綺に命令して私の一族を……怒りでもう何も感じない
よくも私の仲間を!夜光を!柚綺を!!
貴様だけは許さない!!!」


私は刃を向けた


ヨモギ「ま、待てっ…!」



―――ザクッ



私は躊躇する事なく切り裂いた


今までとは違う赤い光となって消え去っていった


エマ(赤い光…姫様は限界を超えた……
その力が星蘭まで達した…!?)



華夜「…はあ…はあ……
まだ…戦う奴が居るなら来い
私がまとめて殺す!!」


そう吐き捨てると悪魔達は怯え、自分達の世界に帰って行った




華夜「―――っ…」



霊力を使い果たした私はその場に倒れた



エマ「姫様大丈夫ですか!?」


薄れゆく意識の中エマの声が聞こえていた


―…目が覚めると真っ白な天井が映った
光が差し込み少し目が痛い

側にはエマが居た


華夜「どれくらい眠っていたの…?」



エマ「5日です…心配したんですよ…」


5日…そんなに長く眠って……


華夜「全て……終わったのね……」



エマ「はい……」



―…ポタッ…

長い…長い戦いは私達の勝利で幕を閉じた
でも柚綺は居なくなってしまった


エマ「姫様……」



華夜「…ごめん…今だけだから…」



"愛してる"


柚綺…ありがとう…
あなたとは敵同士だった
だけど私も…柚綺の事………
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