蒼き瞳~月の姫と悪魔~

エマ「城を空けてきて大丈夫でしょうか」



柚綺「心配ない。俺が強力な結界を張ってきた
それに今は昼間だ。襲って来る妖魔も少ない」



エマ「それにしても敵は一体…」



柚綺「吸血鬼だ」



エマ「吸血鬼!?しかし吸血鬼は滅んだと聞きました!まさか…」



柚綺「あぁ、生きていた奴が居たみたいだな
狙いは華夜の血だろ」



数ヶ月前の吸血鬼と妖魔の争いは誰でも知っている

妖怪が勝利し吸血鬼は全滅したと…



エマ「姫様に何かあったら私は……」


柚綺「お前が責任を感じる必要はない
俺も側に居たんだ…」



側に居ながら守れなかった…情けねえ…



柚綺「華夜は絶対に取り返す。急ぐぞ!」


―――――……


リューク「数ヶ月前の俺達の戦いは知っているか?」



華夜「もちろん
あれほど大きな戦いだったんだから知らないはずない」



リューク「その戦いで俺達の一族は負けた
全滅と言われてたらしいが俺達は数人まだ生きていた」



華夜「生きていた?なら他にも仲間が?」


でも…そんな妖力感じない



リューク「そうだ生きていた
だけどみんな死んだ
あいつらウイルスをまいていきやがったんだ
仲間はそのウイルスにやられて次々に死んでいった」


華夜「ウイルスを……」


リュークは泣いていた


もう戦力のなくなった吸血鬼にトドメをさすように…
そんな妖魔が……


< 115 / 230 >

この作品をシェア

pagetop