蒼き瞳~月の姫と悪魔~

ここは本当に月…?
聞いていた話と随分違うみたいだけど…



コンコン



華夜「調子はどう?
でもその様子じゃ大丈夫みたいね」



冬夜と一緒に入って来たのは綺麗な女の人




杏「あの…あなたが手当てしてくれたんですか?」



華夜「そうなの
冬夜が傷だらけのあなたを連れて来た時は驚いたけど大丈夫そうで安心した」



ふふっと優しく微笑むその人に私はどこか暖かい気持ちになり緊張が解けた



華夜「改めてこの月を収めている華夜よ」




やっぱりこの人が…あの人が言っていた華夜姫…




杏「…杏と言います
命を助けていただきありがとうございました」



華夜「杏ね。よろしくね
少し変わった魔力を感じると思ったら朱雀なのね」


……!?
魔力は押さえていたはずなのに正体がバレた!?
この人やっぱり伝説になるだけある…



冬夜「朱雀?杏が?
変わった魔力だとは思ってたけど」


……冬夜も気付いて…!?
私達とは桁違いの感知能力…



華夜「四神と言われる伝説の妖魔1人、火を操る朱雀。別名"火の神"
神とたたえられる程の力を持つの

―…さてお話はこのくらいにしましょうか
私はやる事があるから失礼するね」


杏「あ、ありがとうございました華夜さん
…冬夜もありがとう」




冬夜「…や、べつに大したことじゃないから…」



華夜「…杏、好きなだけここに居ていいからね
冬夜、杏の事はあなたに任せるよ」



そう言って華夜さんは出て行った


その後冬夜は月を案内してくれた


誰かとすれ違うたびに誰かも知れない私に優しく話しかけてくれた


華夜さんや冬夜もそうだけどここの人はなんて優しくて暖かいんだろう…


見ず知らずの私をこんなによくしてくれるなんて…



そして話していると華夜さんと冬夜はすごく皆に信頼されてる


…本当にあの人が言うように悪い人達なのだろうか…


私には…ここはとても居心地が良かった
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