蒼き瞳~月の姫と悪魔~
冬夜「でもすぐ死ぬらしいんだ…」
そう言うと杏の表情は少し曇った
杏「そうなんだ…でも素敵だね
短い時の中でこの子達は一生懸命輝いてるんだね」
冬夜「そうだな…」
杏「私も…こうありたかったな…」
杏は聞こえるか聞こえないくらいの声でポツリと呟いた
*杏*
キラキラと輝く小さな蛍
そんな蛍が羨ましい
私も蛍みたいになりたかった
輝きながら大空に羽を広げ自由に飛んでいた
とても幸せだった
でも私はもう…輝きを失った
あの方の元で私は…自由に飛ぶことも出来ず逆らう事も…
冬夜「杏?」
ポロポロ…
気が付けば私の目からは涙が溢れていた
杏「あれ…?」
どうしてだろう…今まで何も感じなかったのに
私は……
あの人の駒として動かなければ意味がないのに……
でも…今は蛍も冬夜達も羨ましい
自由に飛べて私の目には皆輝いて見える
冬夜「どうしたんだよ杏」
涙を流す私を見て冬夜は少し慌てていた
それでも涙が止まらなかった
そしたら冬夜は静かにそっと私を抱き締めた