蒼き瞳~月の姫と悪魔~


リノン「ふふっ、何言ってるの
チャンスなんてもう無いわよ
こんな事すら出来ないあなたなんか私の部下には必要ないわ」



「―そんな!?まっ、待って下さいリノン様!
どうか命だけは!」



リノン「目障りよ 。さようなら」


――何…!?いやっ、止めて…怖いっ!!


リノン様は呪文を唱えると次の瞬間部下の人は目の前で爆発するように弾き飛んだ


ピッと血が私の頬についた
そして広がる血の匂い…


――…一体何が起こったの…?

私はしばらく体が動かずさっきまで部下の居た所から目が離せなかった


杏「………」



ぁ…今…何が……



リノン「…あーぁ床と服が汚れちゃったわ
杏?後で掃除しといて頂戴」


リノン様の声でハッと我に返った


リノン「…どうしたの杏。話があったんでしょう?」


自分の体についた血をペロリと舐めながらリノン様は言った

でも言葉が出なかった



リノン「その前に私、杏に聞きたい事があるのよ
あなた今まであの月に居たらしいじゃない」



杏「……!?」



な、なんでこの人が知って…っ!?



リノン「ふふっ、どうしたの驚いた顔して
私が知らないとでも思ったの?」


全部知っていたんだこの人は…


私はだんだん恐怖に捕らわれいった


リノン「あら、別に責めてるわけじゃないのよ?杏はいい子だもの…

いい感じに奴らに取り入ってくれたわね
おかげでこっちの作戦もやりやすくなったわ」


リノン様の瞳が真っ直ぐ私を見る
私は怖くて動けなかった



"杏―…"


その時、冬夜の顔が浮かんだ
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