蒼き瞳~月の姫と悪魔~
…私…なにしてんだろ…
ここで怖がってたら何の為にここに来たのか分からない
杏「…私はっ…」
覚悟を決めて私は話し始めようとした
しかし……
リノン「…あっ、そうそう
さっきクロスが吹き飛んだ訳を言わなきゃね」
…え……?
リノン「実はクロスの体の中には私が作った"呪玉"(じゅぎょく)を入れていたの
文字通り呪いの石よ
私が呪文を唱えれば私の思い通りに操れるの
もちろんさっきのようにもね
そして…あなたの中にも呪玉はあるのよ?杏」
杏「――っ!?」
私の全身に寒気が走った
そして私は一瞬で悟った
リノン「…でも杏はいい子だからね
クロスみたいに私を絶望させたりしないわよね?」
この人からは逃げられないのだと…
リノン様を裏切れば最後、クロスのようにいつでも殺せるのだと…
リノン「あら話を止めてごめんなさいね?
杏、話していいわよ」
唇が震える…私…私は…
冬夜…私はずっとあなたの側に居たい
冬夜と華夜さん達とあの場所に…
だけど……
杏「何でもありません…」
リノン「そう?なら私は湯浴みをしてくるわね」
そう言ってリノン様は私の横を通り過ぎようとした時
リノン「…杏が戻って来てくれて嬉しいわ
またよろしくね」
リノン様が出て行った後私はその場にしゃがみ込んだ
杏「――っ…ぅ…」
冬夜……ごめんなさい……
私は1人涙を流した
――リノン様はこの世界で一番力を持った魔女
ある日突然私の前にリノン様は現れた
ここではリノン様は絶対的な存在
そして今リノン様は月を滅ぼそうと計画を進めている
原因は華夜さんみたいだけど…
リノン様は華夜さんに因縁があるらしい
詳しくは話して貰えないから分からないけど…
…でもこうなった以上私は月には戻れない
私の中に呪玉があるかぎり私は自由にはなれない