蒼き瞳~月の姫と悪魔~


リノン「きゃあぁぁぁぁ!」


リノン様は炎に包まれながら悲鳴をあげ、そのまま倒れ込んだ




杏「―…やった…?」


私はじっと炎を眺めていた


杏「これで冬夜達は助かる…!」



…でも何か釈然としない
あのリノン様がこんなあっさりやられるものなの?

その時炎が消えた
死体を見るとそれはリノン様では無かった




杏「…!悪魔!?」


私が倒したのはリノン様では無かった

どうして!?ならリノン様はどこに…


リノン「私ならここよ」



背筋がぞっとした
リノン様は私のすぐ後ろにいた


気づいた時には遅く私は思い切り投げ飛ばされた


杏「カハッ…!」


私は思い切り壁に叩きつけられた
壁がガラガラと崩れ落ちる



リノン「悪い子ね杏
それにあれで勝ったと思った?

さっきの身代わり魔法なの
すごいでしょ?
そして教えておくわ
あなたの朱雀の力、私の呪玉でコントロールしてるの
おかしいと思わなかった?
あなた程の魔力を持つ者が私の操り人形になってるなんて」



杏「……っ」


全てリノン様の思い通り…
悔しい…でもまだやれる!

四神と言われる伝説妖魔なんだからそう簡単にやられてたまるかっ
私が止めなきゃ!


でも立ち上がろうとしても体がうまく動かない


杏「な…に?体が痺れる…!?」


リノン「ふふっ、痺れ薬よ
気づかなかった?

あなたはこのまま閉じ込めておくわ
安心して。2日後には私の駒として働いてもらうから」


リノン様は不適に笑った


そんなっ!?


リノン「誰か、杏を連れて行って」



―――っ!



杏「…まだ…終わってないです…!」



私は最後の力を振り絞り再び立ち上がった
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